フェイキックIOL
(有水晶体眼内レンズ)
幅広い近視・遠視の矯正に対応できます

挿入する人工レンズ(イラスト)
有水晶体眼内レンズ手術(以下、フェイキックIOL)は、人工眼内レンズ(IOL)を眼内に挿入することで光の屈折を変え、近視や遠視を矯正する手術です。
水晶体を残したまま(=有水晶体)レンズを挿入するため、調節能力(ピントを合わせる力)が温存されます。また、レンズの度数で矯正を調整することで、レーシックなどでは矯正できなかった強度の近視・遠視を矯正することが可能です。
他の手術との違い
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズ(IOL)を挿入する手術です。術後は水晶体の調節能力(ピントを合わせる力)がなくなるため、挿入するレンズを遠方にあわせていれば近くを見るときはメガネが必要になります。(逆の場合も同様)
エキシマレーザーによる屈折矯正手術は、角膜をレーザーで薄くするため、角膜厚が十分でない方や、近視度数が強い方では受けられないケースがあります。
フェイキックIOL手術では、角膜と水晶体の間に眼内レンズを挿入することで近視・遠視・乱視を矯正します。水晶体を残すことで、調節機能(ピントを合わせる能力)が温存されます。
挿入するレンズの度数で矯正を調整するので、角膜の厚みにかかわらず幅広い近視・遠視の矯正に対応することができます。
また、一度挿入した人工レンズは、後で摘出することも可能です。(可逆的)
| レーシック | フェイキックIOL | |
|---|---|---|
| 近視 | 〜-10D程度 | -3〜-23D程度 |
| 遠視 | +1〜+5D程度 | +5〜+12D程度 | 乱視 | 〜6D程度 | 〜7D程度 | 視力の安定性 | 良好 | 非常に良好 | 視力の質 | 良好 | 非常に良好 | 満足度 | 高い | 非常に高い | 可逆性 | 非可逆性 | 摘出可能 | 手術部位 | 角膜手術 | 内眼手術 |
安全性は?
日本ではまだ臨床治験中の手術とされていますが、ヨーロッパでは20年の歴史があり、アメリカでは2004年9月にFDAの認可を受けています。
国内での臨床も増えてきており、白内障手術との共通点が多いことや器機の進歩などを踏まえ、当院でも導入を予定しております。
手術の流れ
手術の2週間前までに、レーザーで虹彩に小さな穴を開ける
フェイキックIOL手術では、眼内レンズを虹彩に固定します。そのため房水の流れる経路が妨げられ、眼圧が上昇したり(緑内障の危険性)、角膜内皮細胞障害などの危険性が考えられます。
そこで、手術の2週間前までに虹彩に小さな孔(あな)を開けるレーザー手術(レーザー虹彩切開術)を受けておきます。
これにより、眼内レンズを挿入した後も房水が流れる経路が確保され、眼圧上昇(緑内障)や角膜障害の危険を回避することができます。
緑内障治療で行われるレーザー虹彩切開術は、外来で簡単に受けられる安全性の高いレーザー治療です。
>>レーザー虹彩切開術(緑内障のレーザー治療)
レンズを虹彩に固定し、傷口を縫合します
- 1.切開
局所麻酔をして強角膜(白目と黒目の境)を5ミリほど切開します。- 2.眼内レンズを挿入
眼内レンズ(IOL)を挿入します。- 3.眼内レンズを回転させ、虹彩に固定
眼内レンズを回転させ、虹彩に固定します。
レンズの両端にある足の部分には切り込みがあり、虹彩の外側に挟んで固定します。- 4.傷口を縫合
傷口を縫合して手術は終了です。
通常は抜糸の必要はありませんが、乱視が強い場合などは術後数週間以内に抜糸します。
