ご家族が白内障だと診断されたら|サポートの仕方から手術の付き添いまで解説

白内障とは目の中でレンズの役割をする『水晶体』が濁って見えにくくなる病気です。
年齢を重ねると誰にでも起こる老化現象のひとつです。
あなたのご家族もいずれ白内障が現れて生活に不便を感じるようになってくるかもしれません。
またはあなたのお子様が先天性白内障や若年性白内障、アトピー性白内障など、若い人でも発症する白内障になるかもしれません。
そうした時、家族としてどのように支えていくか、ケアしていくか、気になりますね。
不安にならず、落ち着いてご家族のケアができるよう、ご紹介します。
この記事では、年間3,651件の白内障手術実績を持つ中央眼科グループが、ご家族向けのサポート方法から手術の付き添い、術後のケアまで詳しく解説します。
ご相談・ご予約は

白内障手術は、極めて安全性が高い手術です
白内障の発症率は、自覚症状がない場合も含め、50代で約50%、60代で70%、70代で約85%、80代ではほぼ100%だと言われています。
もちろん個人差もありますが、自覚症状がない場合だと発症に気づいていない方もおられます。
一度発症すると薬では治らないので、治療は手術で行います。
手術と聞くと怖いイメージを抱かれる方もおられますが、白内障手術は極めて安全性の高い手術だと言われていますので、必要以上に怖がる必要はありません。とてもポピュラーな手術です。
現在は、日帰り手術が一般的で手術時間も15~30分程度と短時間で終わります。
麻酔は点眼式の局所麻酔を使用するので痛みもなく、身体の負担は少なくすみます。
家族だから気づける白内障の初期サイン
白内障は痛みがなく、ゆっくり進行するため、ご本人が気づかないことがよくあります。以下のような変化があれば、早めの眼科受診をおすすめください。
夜間・薄暗い場所で見えづらそう
白内障になると、水晶体の濁りによって光が散乱し、暗い場所での視力が著しく低下します。「夕方になると見えにくい」「夜の運転を避けるようになった」などの変化は、白内障の代表的なサインです。
光をまぶしがる・対向車のライトを嫌がる
水晶体の濁りで光が乱反射するため、晴れた日の屋外や夜間のヘッドライトを異常にまぶしく感じるようになります。サングラスを手放せなくなったり、運転中に目を細めることが増えたら要注意です。
テレビや本を見なくなった
「読んでいると疲れる」と新聞や本を読む機会が減った場合、白内障による視力低下の可能性があります。老眼との違いは、眼鏡をかけても改善しない点です。
段差でつまずく・距離感がおかしい
白内障が進行すると水晶体のピント調節機能が低下し、距離感が掴みにくくなります。階段の上り下りでつまずいたり、頻繁に転びそうになる場合は、早めの受診をご検討ください。
白内障と他の眼疾患の併発について
白内障と緑内障はどちらも加齢に伴って発症しやすく、同時に見つかるケースは珍しくありません。ご家族が複数の眼疾患を指摘された場合の対応について解説します。
白内障と緑内障が同時に見つかった場合
日本緑内障学会の多治見疫学調査(多治見スタディ)によると、40歳以上の日本人における緑内障有病率は5.0%(20人に1人)で、60歳以上では約10%(10人に1人)に上ります。白内障の検査時に緑内障が発見されることも少なくありません。
【同時治療のメリット】
・白内障手術で眼圧が下がり、緑内障の進行抑制に効果的な場合がある
・手術回数を減らし、身体的・経済的負担を軽減できる
・水晶体の濁りが取れることで、緑内障の検査精度が向上する
近年では、白内障手術と同時に行える負担の少ない緑内障手術も登場しています。詳しくは診察時にご相談ください。
糖尿病性白内障について
糖尿病の方は白内障の発症リスクが高く、進行も早い傾向があります。血糖コントロールが不安定な場合は、内科との連携のもと手術時期を慎重に判断いたします。ご家族からの情報提供が治療計画に役立つこともありますので、普段の健康状態もお伝えください。
白内障手術の付き添いと家族のサポート
白内障手術は日帰りで行われることが多く、必ずしも付き添いが必要ではありません。ただし、以下のような場合はご家族の付き添いをおすすめします。
付き添いが推奨されるケース
・高齢の方・足元が不安定な方:手術直後は視界がぼんやりしやすく、転倒リスクがあります
・車で来院される方:手術当日は運転禁止のため、送迎が必要です
・一人暮らしの方:術後の点眼や家事のサポートがあると安心です
術後の生活サポート
・点眼の補助:術後3ヶ月ほど点眼が必要です
・送迎:翌日検診、1週間後検診などの通院時
・家事の補助:重いものを持つ、前かがみの作業は控えていただきます
・洗髪・洗顔:目に水が入らないよう美容院での洗髪をおすすめすることも
若年性・先天性の場合は!?
加齢性白内障は見える状態やその他の疾患、ライフスタイルによって、手術のタイミングをじっくり決められますが、若年性・先天性の場合は少し違ってきます。
先天白内障
先天白内障とは、先天的な素因によって生まれつき水晶体がにごる病気です。
新生児期に目の中に白い濁りがあることに気づいたら、直ちに眼科を受診してください。
早く発見して手術しないと、重度の視力障害になってしまうこともあります。
ご家族に先天白内障の方がおられる場合は、まずは生まれてすぐに眼の検査をするのが良いでしょう。
手術した後はコンタクトレンズやメガネによる矯正が必要です。また、定期的に検査をして、ご家庭では良い視力を伸ばすために弱視訓練に取り組んでいただきます。
小児期は視機能の発達にとってとても重要な時期です。
ですが、見た目で分かりにくかったり、小さなお子様はものが見えにくくても上手に表現することができないので、なかなか気づくことが難しい側面があります。
信頼できる医師や視能訓練士とともに、大切なお子様の目の健康をサポートしましょう。
若年性白内障
若年性白内障とは、まだ若い年齢の内から白内障を発症することを言います。
早い人だと10代20代でも手術をする場合があります。
実は、若年性白内障の原因は明らかにはされていません。
基本的に白内障の多くは加齢性で、老化現象のひとつだと言われていますが、その老化現象を速めるものがあります。それは『活性酸素』というカラダの物質を酸化させる(サビさせる)酸素のことで、老化に深くかかわりがあります。
若い時は増えすぎた活性酸素から身を守る防御システムが備わっていますが、年を重ねるにつれて弱まってきます。
女性だと肌のしわやシミという観点から聞きなれているかもしれませんが、活性酸素は美容だけの問題ではありません。活性酸素が増えすぎると、正常な細胞や遺伝子も攻撃して様々な疾患を引き起こすと言われています。
上記に上がっているように、白内障も活性酸素が一つの原因とされています。
若い人でも、たくさん紫外線を浴びたり、大きなストレスを抱えていたり、お酒やタバコを嗜んだりなど、活性酸素を増加させてしまう生活習慣だと、白内障の発症を速めてしまうかもしれません。
ご家族で生活習慣の見直しからサポートしたり、予防や治療後のケアのために抗酸化力の高い食べ物を用意するのも良いでしょう。
よくある質問
付き添いなしでも手術は受けられますか?
はい、可能です。多くの方がお一人で来院され、公共交通機関やタクシーでお帰りになっています。ただし、高齢の方や片目の視力が低い方は、安全のため付き添いをおすすめしています。
術後何日くらい付き添いや手伝いが必要ですか?
手術当日と翌日の検診時は付き添いがあると安心です。その後は個人差がありますが、1週間程度は重い物を持つなどの作業を避けていただくため、必要に応じてサポートをお願いします。
高齢の親が一人暮らしですが手術できますか?
はい、一人暮らしの方も多く手術を受けられています。術前の説明会にご家族も同席いただくことで、注意点を共有できます。
緑内障も一緒に見つかりました。同時に治療できますか?
はい、白内障と緑内障の同時手術が可能なケースがあります。白内障手術を行うことで眼圧が下がり、緑内障の進行抑制に効果的な場合もあります。
夜だけ見えにくいのも白内障ですか?
夜間や薄暗い場所で見えにくくなるのは、白内障の代表的な症状の一つです。水晶体の濁りによって光が散乱し、暗い環境での視力が低下します。気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。
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監修者 勅使川原 剛|中央眼科グループ統括医院長
医学博士 MBA
MD. PhD. MBA. MA (Interpretation & Translation)
略歴
- 聖路加国際病院外科系レジデント
- 横浜市立大学医学部附属病院
- University of California San Francisco (UCSF)
- University of Bath, UK
- 横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授
所属学会
- 日本眼科学会
- 日本臨床眼科学会
- 日本眼科手術学会
- 日本白内障屈折矯正学会
- ARVO (The Association for Rearch in Vision and Ophthalmology)
- ESCRS ( European Society of Cataract & Refractive Surgeon)





















