格闘技などで眼球に衝撃を受けた方はご相談を「視野が欠けている」
視野が欠けている原因と症状
視野が欠ける症状が出た場合、緑内障か網膜剥離が考えられます。
「緑内障」の主な症状は視野欠損。初期の緑内障ではほとんど自覚症状がなく、中期以降でようやく視野が欠けていることに気づきます。
緑内障は、眼圧が上がり視神経が圧迫されることが原因で起こります。一度失った視力は、治療で戻すことはできません。
また急性緑内障の場合は、進行すると頭痛、目の痛み、充血、吐き気、虹のようなものが見える、などが起こり、発症してから時間が経つほど視力の低下や視野の狭まりなどの症状が出てきます。治療をしないままでいると、短期間で失明に至ることもあります。
「網膜剥離」は、主に眼球に強い衝撃が加わることが原因で起こります。たとえばボクシングなどの格闘技での打撲や、野球やテニスでボールが眼球に当たったなどが原因にあげられ、また近視の度が強い人も網膜剥離になりやすいと言われています。
網膜剥離の症状では、視野欠損のほか、視野が少しゆがむ、飛蚊症、視野の隅に稲妻のような光が走る光視症などが現れます。
視野が欠けている症状から考えられる病気
視野が欠けている症状から考えられる病気は緑内障・網膜剥離があげられます。
日本人の失明原因第1位の「緑内障」
緑内障とは、目の神経に障害が起こる病気です。
40歳以上の17人に1人が緑内障と言われていますが、私たちは2つの目でお互いをカバーしながらものを見ているため自覚症状に乏しく、緑内障だと自覚している人は1割程度と言われています。
発見が遅れると失明に至ることもあるため、「早期発見・早期治療」が重要な眼疾患の1つです。
緑内障
視界が欠けたり飛蚊症なども起こる「網膜剥離」
網膜剥離とは、網膜が眼底から剥がれてしまう病気です。
網膜が眼底から剥がれてしまうと栄養補給が途絶えて光に対する感度も低下します。その結果、目が見えにくくなったり、視界が欠けたりするなどの症状が現れます。
網膜剥離
視野が欠けているときのケア
緑内障で視野が欠けてしまった場合、これ以上眼圧を上げないことが大切です。定期的に眼科へ通い、目薬が処方されたら、きちんとつけることです。
網膜剥離によって視野が欠けている場合は手術が必要ですので、早めの対処が必要です。
私たちはモノを見るのに両目で見ているため、片方の目の視野が欠けていても片方でカバーしてしまうので気づきにくいものです。片方ずつ目を隠してみて、視野が欠けていないか自分でチェックしてみましょう。
症状が改善させない場合は、自己判断せず、お気軽にご相談ください。
監修者 勅使川原 剛|横須賀中央眼科 院長
医学博士 MBA
MD. PhD. MBA. MA (Interpretation & Translation)
略歴
- 聖路加国際病院外科系レジデント
- 横浜市立大学医学部附属病院
- University of California San Francisco (UCSF)
- University of Bath, UK
- 横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授
所属学会
- 日本眼科学会
- 日本臨床眼科学会
- 日本眼科手術学会
- 日本白内障屈折矯正学会
- ARVO (The Association for Rearch in Vision and Ophthalmology)
- ESCRS ( European Society of Cataract & Refractive Surgeon)