コンタクトレンズは眼科で処方

コンタクトレンズ

コンタクトレンズは視力を矯正するための高度管理医療機器です。
そのため、ご自身の視力に合ったものを作る必要があります。特にコンタクトは直接目に入れるため、眼の大きさや角膜の状態、涙の質や量などもしっかり検査しなければなりません。
コンタクトレンズは大変便利ですが、間違った装用はさまざまな障害を引き起こす可能性があります。来院した時には、すでに障害がひどくなっていることもあります。

大切なあなたの目のために、きちんと検査し、あなたの目に合った最適なコンタクトレンズを選びましょう。

はじめてのコンタクトレンズ

初めてコンタクトレンズを購入する際は、眼科で診察・検査し、コンタクトレンズの処方を受けてからのお買い求めとなります。
眼科できちんと検査し、目の状態や視力に合ったものを使わないと、見えにくいばかりでなく、思わぬトラブルの原因にもなります。コンタクト購入後も目の健康を守るために、自覚症状の有無にかかわらず3ヶ月に1回は眼科を受診し、目の状態を定期的にチェックしましょう。

コンタクトレンズは眼科で処方してもらいましょう

コンタクト外来_眼科の検査近年はコンタクトレンズの使用者が増えた一方、トラブルも増えています。
量販店やネットショッピングなどで簡単にコンタクトレンズを購入できるようになってきていますが、便利な反面、きちんと検査をしないまま適切でないコンタクトレンズを使っている方も多いです。

コンタクトレンズと上手に付き合って快適なコンタクト生活を送っていただくためには、眼科での処方を強く推奨いたします。

間違った度数のコンタクトレンズ使用を避ける

コンタクトレンズの度数が適切かどうか、使用者自身では判断が難しいです。
人間の視力は成長期以外でも変化しており、生活環境もそれぞれなので、度数を決める際は専門家のきちんとした検査が必要です。
また、度数が同じでも、ベースカーブやレンズの材質の違いによって、眼の上で違う動きをします。
専門家に眼の上でのレンズの動きを確認してもらい、適切なデータを決める必要があります。

病気に気づかないままコンタクトレンズを使うのを防ぐ

コンタクトレンズは誰でも装用できるわけではなく、装用することができない疾患があります。
たとえば、感染症、ぶどう膜炎、角膜知覚低下、ドライアイものもらいアレルギー性結膜炎などですが、これを診断できるのは眼科医師のみです。
これらの病気の中には、痛みなどですぐ症状に気付くものもありますが、自覚症状がなく気づかないものもあります。
病気を放置したままコンタクトレンズを使用すると、病気がどんどん進行し、失明など取り返しのつかないことになる可能性もあります。

レンズが合わないときのリスクを減らす

使用しているコンタクトレンズが合わなかった場合、我慢して使い続けてしまうと眼精疲労や頭痛を起こしたり、角膜炎や結膜炎といった障害を引き起こす原因になります。
そのため、販売店と眼科がしっかり連携を取れている必要があります。
横須賀中央眼科では建物内に併設した販売店『わかくさコンタクト』があり、横浜鶴見中央眼科では院内での販売を行っております。そのため、使用したコンタクトレンズの何が問題だったのか、眼にどんな問題が起こっているのかをきちんと診察して治療し、知識豊富な専門スタッフが適切なレンズを提案することができます。

わかくさコンタクト

コンタクト障害

コンタクトレンズによる目の病気は年々増えています。
どんなものがあるか代表的なものを紹介いたします。

角膜潰瘍

角膜表面に深い傷ができます。コンタクトレンズのトラブルの中でも非常に重篤なもので、痛みや充血、視力の低下などが特徴で、失明につながるような病態になることがあります。
コンタクトレンズをつけたまま寝てしまう、眼のカーブに合っていない、レンズの汚れなどが原因で、細菌や真菌、カビなどが発生し、このような状態を引き起こします。
煮沸消毒ができないソフトコンタクトレンズ装用者に多く、コンタクトレンズの洗浄だけでなく定期的なコンタクトレンズケースの消毒や交換が大切です。

角膜上皮障害

レンズが眼に合わないと角膜に傷がついて、ゴロゴロしたり痛くなったりします。
主な原因は、レンズが眼に合っていない、ドライアイ、レンズの汚れなどがあります。
眼の大きさは、成長期(中学・高校)まで変わります。また20歳以上でも、白目が膨らむなど眼の表面が変わってきますので、定期的に眼の大きさを確認しながら、合ったレンズに変える必要があります。
特にネットショッピングでカラコンなどを買っている場合に、眼に合っていないレンズの装用が多く、眼に異物感が出てくる患者様がいらっしゃいます。
点眼ではなかなか改善されませんので、眼科で眼に合ったコンタクトレンズを処方してもらいましょう。

角膜内皮障害

酸素不足などのために、角膜の一番内側の層の内皮細胞の数が減ることをいいます。
重症になるまで全く症状が現れず、一度減ってしまうと二度と増えないので、自分で視力低下などに気付いた時には、角膜移植しか治療法がないということになりかねません。
酸素を通さないレンズに起こりがちで、装用時間が非常に長い人、近視が非常に強い人はガス透過性ハードコンタクトレンズ、あるいは、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを選択する方が安全です。
装用時間を短くするか、週に何日かはコンタクトレンズをつけない日をつくるなどすると良いでしょう。

巨大乳頭結膜炎

最近、急増しているトラブルのひとつです。主にソフトコンタクトレンズ装用者に多いですが、ハードコンタクトレンズ装用者にも起こります。
症状は目がかゆくなり、コンタクトレンズがずれやすくなります。まぶたの裏側に異物感を感じ、目やにも増え、装用感も悪化します。
原因はコンタクトレンズに付着した汚れです。つけおき洗浄や煮沸消毒をしている人に多いです。進行すると大きなコブ状のブツブツ(乳頭)がまぶたの裏側にできます。レンズ装用という物理的な刺激も悪化の原因となります。
このような症状が出たら、装用時間を短くし、つけおき洗浄をこすり洗いに、煮沸消毒をコールド消毒に変更すると良いでしょう。1日使い捨てソフトコンタクトレンズも有効です。

大切なあなたの目のために

帰宅すると、コンタクトレンズを外さずに寝てしまっていませんか?
これはとても目に負担をかける行為です。
面倒くさがらず、レンズに合わせた洗浄・保存方法できちんと管理しましょう。

あなたの大切な目を守るために、また安心して使用するために、定期検査を受け、目に少しでも異常を感じたら必ず医師に相談しましょう。
中央眼科グループはいつでもご相談を受け付けております。

 
監修者:勅使川原 剛|横須賀中央眼科 院長

医学博士 MBA
MD. PhD. MBA. MA (Interpretation & Translation)
略歴
聖路加国際病院外科系レジデント
横浜市立大学医学部附属病院
University of California San Francisco (UCSF)
University of Bath, UK
横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授


所属学会
日本眼科学会
日本臨床眼科学会
日本眼科手術学会
日本白内障屈折矯正学会
ARVO (The Association for Rearch in Vision and Ophthalmology)
ESCRS ( European Society of Cataract & Refractive Surgeon)