翼状片

翼状片とは

白内障写真

翼状片とは白目を覆っている結膜が黒目に三角形状に入り込んでくる病気です。通常は鼻側(目頭)から伸びてきますが、耳側(目尻)から伸びてくる場合もあります。

翼状片が起こる原因

目が紫外線を浴びると目が充血することはありませんか? 紫外線を浴びるとそれが原因で角膜に炎症が起きます。 本来なら自然治癒力で元に戻りますが、紫外線を浴びるなど刺激が続くと修復が追い付かなくなり、炎症が慢性化してしまいます。 その炎症を起こした細胞の性質が変化して、黒目の方へ徐々に移動すると、それが翼状片となります。 ですので翼状片は紫外線を浴びる機会が多い人によくみられます。 屋外で仕事をしている人や、地域でいうと沖縄県のように南側の人に多い傾向があります。 中高齢者の方の発症が多くみられますが、加齢現象というわけではなく幼いころからの紫外線の蓄積が原因と考えられています。 また最近ではコンタクトレンズの使用による長年の刺激や乾燥も原因として挙げられています。

翼状片の症状

自覚症状としては主に充血や異物感ですが、見た目にも「黒目に白目がかかっている」とすぐに分かります。放置すると大きくなり黒目の中央にかかってしまうと視力の低下につながります。

翼状片の治療方法

治療方法は手術ですが翼状片は悪性のものではないので、症状がなければ何もしなくても問題はありません。 充血や異物感など症状が強くなってきたら点眼治療を始めます。 上記でも説明しましたが、黒目の中心にかかってしまうと視力の低下を引き起こすので、それよりも前に手術をしたほうがいいとされています。
目安としては黒目のふちと中心の間にかからないくらいです。 手術をしても再発することがあり、若い方ほどよく再発します。

翼状片の保険適用

保険適用されます。

翼状片手術費用

1割→片目約4,000円
2割→片目約8,000円
3割→片目約12,000円 (別途診察代がかかります)

翼状片手術の流れ

手術当日(手術自体は20~30分ほどで終了し、眼帯をつけて帰宅していただきます)5日分の炎症止めの内服薬が出ます。

翌日診察(眼帯を外して先生の診察)目薬3種類が出ます

術後1週間 目検診

翼状片に似ているけど、違う病気

■偽翼状片
目の傷(ケガや洗剤やパーマ液などが誤って目に入った結果として発生する化学眼外傷)などの回復過程で翼状片に似た症状が出てくることがあります。治療方法は翼状片と同じです。

■瞼裂班
瞼裂班は白目にとどまっていて黒目には伸びてこないので、点眼治療のみで十分です。黒目にかかってきたら翼状片とみなしてよいのですが、まだ白目にとどまっているだけの翼状片もあるので、その場合の見分け方は難しいこともあります。主な治療方法は点眼治療です。  
監修者:勅使川原 剛|横須賀中央眼科 院長

医学博士 MBA
MD. PhD. MBA. MA (Interpretation & Translation)
略歴
聖路加国際病院外科系レジデント
横浜市立大学医学部附属病院
University of California San Francisco (UCSF)
University of Bath, UK
横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授


所属学会
日本眼科学会
日本臨床眼科学会
日本眼科手術学会
日本白内障屈折矯正学会
ARVO (The Association for Rearch in Vision and Ophthalmology)
ESCRS ( European Society of Cataract & Refractive Surgeon)