結膜結石|まぶたの裏のぶつぶつって怖いもの⁉

結膜結石

結石といえば胆石や腎臓結石など、体の中に石ができてしまう病気です。怖いイメージを思い浮かべてしまいますが、実は眼にも「結膜結石」という病気があるのです。
気がついたらまぶたの裏にブツブツができている、という方は要注意!ゴロゴロとした異物感や痛みが出てくるとトラブルのもとになるので、きちんと眼科を受診しましょう。

結膜結石ってどんな病気?

まぶたの裏にカルシウムや脂質などの分泌物が固まって黄色っぽい石が出来てしまう病気です。
結膜結石はまぶたの奥の方にできるため、最初のうちは特に症状もなく痛みもありませんが、だんだん石が表面の方へ移動してまぶたを突き破ってくるとゴロゴロとした異物感を感じるようになったり、角膜が傷ついて痛みが出てきます。
人によっては10個以上出来ている場合もあります。

結石といっても、腎臓結石や尿管結石とは成分も原因も違いますので、他の結石を心配する必要はありません。

結膜結石の原因

結膜結石の主な原因と言われているのは、目の炎症です。
慢性的な結膜炎の方に多く、ドライアイやアレルギー、感染症、コンタクトレンズの使用など様々な原因があるため、特定することが難しいです。
また老化現象のひとつとも言われていますし、結石ができやすい体質だと考えられることもあります。

結膜結石の治療法

結膜結石は、発生してもすぐに何か治療が必要というわけではありません。
まだ症状が出ていない段階では、医師に診てもらっても「様子を見ましょう」と言われることがほとんどでしょう。定期的に異変がないかチェックすることになります。

しかし、ゴロゴロした違和感や痛みが出てきた場合は、治療が必要です。

目薬

日々の生活で行えるケア

原因になっている目の炎症を抑えるために、目薬で治療します。結膜結石に直接効く目薬はないので、慢性的な炎症を根本的に治療しよう、というのが目的です。
炎症の原因は様々あって特定ができないため、長期的な治療になることが多いです。

手術

石が角膜を傷づけている場合は、手術で石を取り除いて改善をはかります。
手術といってもとても簡単なもので、短時間で終わり入院などは必要ありません。
点眼麻酔をして1つずつ除去していくので、複数個ある場合はその個数分時間がかかるでしょう。

石は表面に出てきても、時間が経つと自然と取れて症状がなくなることもありますが、目薬で結石ができないように抑えることはできません。
まずは炎症を抑える目薬で数日間症状に変化がないか様子を見ます。そして悪化していくようであれば、手術で結石の除去を行うことが多いです。

結膜結石のその後

一度手術で結石を除去したからといって、再発しないということはありません。
表面に出ているものを全て除去しても、奥に潜んでいるものが新たに出てきて症状を繰り返す、ということもあります。
ですから定期的に検診を受けることが大切です。ひどくなる前に発見できれば、早期にアプローチすることが出来ますし、症状の重症化を防げます。
もし再発して症状が現れたらその都度眼科で治療してもらいましょう。

 
監修者:勅使川原 剛|横須賀中央眼科 院長

医学博士 MBA
MD. PhD. MBA. MA (Interpretation & Translation)
略歴
聖路加国際病院外科系レジデント
横浜市立大学医学部附属病院
University of California San Francisco (UCSF)
University of Bath, UK
横浜市立大学医学部 眼科 臨床教授


所属学会
日本眼科学会
日本臨床眼科学会
日本眼科手術学会
日本白内障屈折矯正学会
ARVO (The Association for Rearch in Vision and Ophthalmology)
ESCRS ( European Society of Cataract & Refractive Surgeon)